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歯周病は「年だから仕方ない」病気ではありません|歯ぐきの溝から始まる進み方

執筆者
くるみ歯科こども歯科院長 竹中純子
竹中 純子

医療法人くるみ会

くるみ歯科こども歯科 院長

この記事は「おとなのお口メンテナンス」シリーズ(全15話)の第2話です。
▶ シリーズの目次(全15話の一覧)はこちら

愛知県長久手市、藤が丘エリアの皆様、こんにちは。医療法人くるみ会 くるみ歯科こども歯科院長の竹中純子です。

こんなお悩みはありませんか?

  • 「歯周病って、どんな病気なのかよくわからない」
  • 「歯医者さんで「ポケットが深い」と言われたけれど意味がわからない」
  • 「もう年だから、歯周病は仕方ないと思っている」

関連するお悩み:#歯周病とは#歯ぐきから血が出る

「歯周病ですね」とお伝えしたときに、「もう年だから、仕方ないですよね」と返されることがあります。

お気持ちはよくわかります。でも私は、この言葉を聞くたびに、少しもったいないなと感じてしまうんです。

歯周病は、年齢だけで決まる病気ではありません。そして、気づいたところから進み方をゆるやかにしていける病気でもあります。

今回は、歯と歯ぐきの間の小さな「溝」に注目しながら、歯周病がどう始まって、どう進んでいくのか。診療室で私たちが何を見ているのかも含めて、お話ししてみますね。

この記事のポイント

歯周病の原因は「年のせい」ではなく、歯と歯ぐきの間の溝にたまった細菌です。私は、歯周病を「治して終わり」ではなく、「これ以上進ませないように付き合っていく病気」だと考えています。

1.はじまりは、歯と歯ぐきの間の小さな溝です

歯の模型の歯ぐきを器具で指して説明する歯科衛生士の手元
※画像はイメージです

歯と歯ぐきの境目には、もともとごく浅い溝があります。健康なときは、歯ぐきが歯にぴったり寄りそっていて、この溝はほとんど目立ちません。

問題は、この溝にプラーク(細菌のかたまり)がたまったときです。

歯ぐきが炎症を起こして腫れ、溝が少しずつ深くなっていきます。深くなった溝は歯ブラシの毛先が届きにくいので、細菌にとっては居心地のいい場所になってしまう。これが「歯周ポケット」です。

つまり歯周病は、ある日突然なるものではなく、毎日の小さな汚れの積み重ねから始まる病気なんです。

2.「痛くない」は、安心していい理由になりません

歯周病のいちばんやっかいなところは、かなり進むまで痛みがほとんど出ないことです。

はじめは歯ぐきだけに炎症がある「歯肉炎」。歯みがきで血が出たり、歯ぐきが赤く腫れたりします。この段階なら、ていねいなケアとクリーニングで落ち着くことが期待できます。

ところが、炎症が奥へ広がって歯を支える骨が減り始める「歯周炎」になっても、痛みが出ないことが多いんです。

「痛くないから大丈夫」と思っている間に進んでしまう。だからこそ私は、症状がないうちのチェックをおすすめしています。

3.検査で細い器具を入れるのは、溝の深さを測るためです

歯のクリーニングを行う歯科衛生士

定期検診で、歯と歯ぐきの間に細い器具をそっと入れて、数字を読み上げていく検査を受けたことはありますか?

あれは、溝の深さを1本ずつ測っているんです。あわせて、出血があるか、歯がぐらついていないかも見ています。

正直にお伝えすると、歯ぐきが腫れているときは少しチクッとすることがあります。痛いときは、遠慮なく手をあげてくださいね。

この記録があると、次の検診で「前回より引きしまっていますね」と、変化を数字でお伝えできます。ご自身のがんばりが見えると、ケアを続ける励みにもなると思っています。

4.歯石を取るだけでは、治療の半分です

歯周病の治療というと、歯石取りを思い浮かべる方が多いと思います。もちろん、歯ぐきの上だけでなく、ポケットの中にかたまった歯石もていねいに取り除きます。

でも、それだけでは半分なんです。

  • 歯科医院でできること:歯石やかたい汚れを取る、溝の深さを確かめる、みがき方をお伝えする
  • ご自身にお願いしたいこと:毎日、歯と歯ぐきの境目と、歯と歯の間の汚れを落とす

どちらか一方だけでは、歯ぐきはなかなか落ち着きません。両方がそろって、はじめて変わっていきます。私たちは、毎日のケアを続けるための伴走役だと思っています。

5.私が「年だから仕方ない」と言ってほしくない理由

歯周病で一度減ってしまった骨を、完全に元どおりにするのは難しいことが多いです。ここは、ごまかさずにお伝えしておきたいところです。

でも、だからこそ「今から進ませない」ことに大きな意味があります。

50代、60代で歯ぐきのことが気になり始めたなら、それはこれから先の歯を守る準備を始めるタイミングです。遅すぎるということはない、と私は思っています。

お子さんやお孫さんの歯を大切にしてくださっている方ほど、ご自身のお口は後回しになりがちです。ご家族と一緒に、ご自身の歯ぐきのことも、少しだけ気にかけてあげてくださいね。

6.よくあるご質問

タブレットでお口のことを説明するスタッフ

歯周病はうつりますか?

原因菌は、だ液を通して人から人へ移ることがあるといわれています。ただ、それだけで必ず歯周病になるわけではありません。結局いちばん大切なのは、毎日のケアです。

一度減った骨は、元に戻りますか?

完全に元どおりにするのは難しいことが多いです。だからこそ、早めに見つけて進ませないことを大切にしています。

歯周病と言われたら、歯を抜くことになりますか?

すぐに抜くことになるわけではありません。状態を確かめたうえで、歯を残すための方法を一緒に考えます。

まとめ|「仕方ない」ではなく「ここから守る」

診療チェアで検診を受けて笑顔の女性
※画像はイメージです

歯周病は、歯と歯ぐきの間の小さな溝から、静かに進んでいく病気です。年齢のせいだとあきらめずに、今の溝の深さを知るところから始めてみてください。

最後に、ひとつだけ質問させてください。最後に歯ぐきの検査を受けたのは、いつだったか思い出せますか?すぐに思い出せないようなら、それが受けどきだと思います。一般歯科のページもあわせてご覧くださいね。

次回は、歯科医院のクリーニングでは実際に何をしているのか、受けたあとに何が変わるのかをお話しします。

参考情報

長久手・藤が丘で歯や歯ぐきが気になったらご相談ください

くるみ歯科こども歯科では、お子さんだけでなく、大人の方の治療や定期検診(メインテナンス)も行っています。お子さんやお孫さんの付き添いのついでに、ご自身のお口のチェックもどうぞ。

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