
くるみ歯科こども歯科クリニック
院長 竹中 純子
「最近、家族にいびきがひどいと言われる…」
「昼間、どうしても眠くて集中できない…」
もしかしたら、それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が一時的に止まったり、浅くなったりする病気で、放置すると様々な健康リスクを引き起こす可能性があります。
「えっ、歯科医院で無呼吸の相談ができるの?」
そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。実は、歯科医院でも睡眠時無呼吸症候群の治療に関わることができるんです。特に、マウスピース(口腔内装置)を用いた治療は、歯科医師の専門分野です。
当院、くるみ歯科こども歯科クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある方に対して、医療機関と連携しながら、検査のご案内やマウスピースを用いた治療を行っています。
今回は、睡眠時無呼吸症候群の検査から治療までの流れを、患者さん向けに分かりやすく解説していきます。もし、気になる症状がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ステップ①:まずは「気になる症状」に気づく

睡眠時無呼吸症候群の可能性を示すサインは、いくつかあります。ご自身やご家族に当てはまる項目がないかチェックしてみましょう。
特に、大きないびきをかく、いびきの途中で呼吸が止まる、途切れるといった症状がある場合は要注意です。
・昼間に強い眠気がある
十分な睡眠時間を取っているはずなのに、日中、強い眠気を感じる、集中力が続かないといった症状はありませんか?
・夜中に息が止まっていると言われた
ご家族から、寝ている間に呼吸が止まっていると指摘されたことはありませんか?これは、睡眠時無呼吸症候群の典型的な症状です。
・体重が重め(BMIが25以上)
肥満は、睡眠時無呼吸症候群のリスクを高める要因の一つです。
・高血圧や糖尿病の治療をしてもなかなか改善しない
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病と深く関連していることがあります。
もし、これらの症状に複数当てはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
まずは、簡単な質問チェック(問診票)でリスクを確認してみましょう。お気軽にご相談ください。
ステップ②:ご自宅で「かんたん検査」

問診の結果、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高いと判断された場合、連携している医療機関へご紹介致します。まずはご自宅で行える簡易検査をすることが多いです。
この検査では、寝ている間の呼吸の状態を調べる小さな機械を、ご自宅で1〜2晩装着していただきます。機械が呼吸の回数や酸素飽和度などを記録し、睡眠中の呼吸の状態を把握することができます。
検査自体は非常に簡単で、普段通り寝るだけで完了します。痛みや不快感もほとんどありませんので、ご安心ください。
簡易検査の結果、「無呼吸や低呼吸」が一晩に何回起こるか(無呼吸低呼吸指数:AHI)をチェックします。数値が高い(中等症以上)場合は、より詳しい検査が必要となることがあります。
ステップ③:専門医のもとで「精密検査」

簡易検査の結果、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合は、連携している医療機関をご紹介し、精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG)を受けていただきます。
精密PSG検査では、脳波、心電図、呼吸の状態、血液中の酸素飽和度、筋肉の動きなど、より詳細なデータを一晩かけて記録します。この検査は、専門の病院に入院して行う必要がありますが、睡眠時無呼吸症候群の正確な診断と、適切な治療法を決定するために非常に重要な検査です。
検査の結果をもとに、内科や耳鼻咽喉科の専門医が、患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療法を決定します。治療法には、主にCPAP(持続陽圧呼吸療法)とマウスピース治療(歯科で対応)があります。
ステップ④:CPAP機器の導入

CPAP(シーパップ)療法は、睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療法の一つです。CPAP機器は、寝ている間に鼻や口に装着したマスクから、一定の圧力をかけた空気を送り込むことで、気道を確保し、無呼吸や低呼吸を防ぎます。
CPAP機器の導入にあたっては、専門の医療機関のスタッフが、機器の使い方やお手入れ方法、マスクの装着方法などを丁寧に説明し、患者さん一人ひとりに合った設定を行います。
CPAP療法を適切に行うことで、睡眠中の呼吸が安定し、日中の眠気や倦怠感、高血圧などの症状の改善が期待できます。
ステップ⑤:毎月のチェックと生活改善

CPAP療法を開始した後も、定期的なチェックが非常に重要です。月に1度程度、医療機関を受診し、CPAP機器の使用状況のデータを確認したり、体調の変化などを報告します。
また、睡眠時無呼吸症候群の改善には、生活習慣の見直しも欠かせません。体重の減量、適度な運動、禁煙、飲酒を控える、寝る前のカフェイン摂取を避けるなど、医師や専門家からのアドバイスを受けながら、生活習慣の改善にも積極的に取り組みましょう。ダイエットや運動、食事のアドバイスも一緒にサポート。
歯科医院では、CPAP療法をより快適に行うための、お口の中のケアや、マウスピース治療のサポートも行っています。
ステップ⑥:治療の成果をチェック!

しばらくCPAP療法やマウスピース治療を継続したら、再度精密検査を行い、治療の効果を確認します。
体重が減ったり、睡眠の状態が改善すれば、CPAPの使用時間を短縮したり、CPAPを中止できる方もいます。生活習慣の改善と合わせて、長く健康に過ごせるように、しっかりと治療を継続していくことが大切です。
いろんな専門の先生たちと連携

睡眠時無呼吸症候群の治療は、様々な専門家が連携して行われます。
マウスピース(口腔内装置)の作製や調整、お口の健康管理などを担当します。
・内科、肥満外来
生活習慣の見直しや、高血圧や糖尿病などの合併症の管理、CPAP療法の導入などを担当します。
・耳鼻咽喉科
鼻や喉の構造的な問題の評価や治療を担当することがあります。
・CPAP業者
CPAP機器のレンタルやメンテナンス、使用方法の指導などを担当します。
当院、くるみ歯科こども歯科クリニックは、これらの専門機関と緊密に連携を取りながら、患者さんが安心して治療を続けられるよう、チームでサポートしていきます。
歯科医院でできること:マウスピース治療

睡眠時無呼吸症候群の治療法の一つであるマウスピース(口腔内装置)治療は、歯科医院で行うことができます。
マウスピースは、寝ている間に下顎を少し前に出すように設計されており、舌の沈下を防ぎ、気道を広げる効果があります。
マウスピース治療は、以下のような方におすすめです。
・CPAP療法が合わない、または抵抗がある方
・歯科医師の診断により、マウスピース治療が有効と判断された方
マウスピースの作製は、歯科医師が患者さんのお口の状態を精密に検査し、型取りを行って、オーダーメイドで製作します。完成したマウスピースは、歯科医師の指導のもと、適切な調整を行いながら使用していきます。
当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、最適なマウスピースを作製し、快適な睡眠をサポートいたします。
まずはお気軽にご相談ください

「もしかしたら、私も睡眠時無呼吸症候群かも?」
「CPAP治療がどうしても苦手…」
「マウスピース治療について詳しく知りたい」
もし、少しでも気になる症状やお悩みがありましたら、お気軽にくるみ歯科こども歯科クリニックにご相談ください。
当院では、睡眠時無呼吸症候群に関する相談を受け付けております。女性院長をはじめ、経験豊富なスタッフが、親身になってお話をお伺いいたします。
睡眠は、日々の生活の質を大きく左右する、とても大切なものです。ぐっすり眠って、毎日を元気に過ごせるように、私たちがお手伝いできれば幸いです。
- 院長:竹中 純子
- 住所:〒480-1135 愛知県長久手市下山3-1
- 電話番号:0561-56-4182
- ホームページ:https://kids-kurumi.com