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医院ブログBlog

むし歯のある子が過去最少に!文部科学省「令和7年度学校保健統計調査」子どもの変化と新たな課題


執筆者
竹中 純子

くるみ歯科こども歯科クリニック

院長 竹中 純子


2026年2月13日(金)、文部科学省から一通の重要なプレスリリースが公表されました。「令和7年度学校保健統計調査」の結果です。この調査は、昭和23年から毎年欠かさず実施されている、日本で最も歴史と権威のある健康調査の一つです。全国の幼稚園から高等学校まで、満5歳から17歳までの子どもたちを対象に、その発育と健康状態を浮き彫りにすることを目的としています。


今回の発表を受け、私たち5名の女医は、診察の手を止めてその数字を見つめました。そこには、日本の歯科保健における「歴史的な勝利」とも言える驚異的な記録が刻まれていたからです。


それは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校のすべての学校種において、う蝕(むし歯)のある者の割合が「過去最少」を更新したという事実です。


特に注目すべきは、私たちが当たり前だと思っている現在の数字が、過去と比較していかに「奇跡的」なものであるかという点です。今回の調査報告では、比較対象として「過去最大値」も示されています。


昭和50年代前後、日本の子どもたちの約95%にはむし歯がありました。「むし歯がない子」を探すほうが難しく、学校の歯科検診といえば、歯医者が「C(むし歯)」を連呼し、多くの子どもたちが銀歯を抱えていた時代です。いわゆる「むし歯の洪水」時代。私たちはその凄まじい濁流を、半世紀かけて食い止めてきたのです。


なぜ、これほどまでに劇的な変化を遂げることができたのでしょうか? 藤が丘や長久手で子育てをされている皆様が、毎日当たり前のように行っている「仕上げ磨き」や「フッ素配合歯磨き粉の使用」、そして「定期的な歯科検診」。これら一つ一つの行動が、全国規模で積み重なり、ついに9割以上あったむし歯をここまで押し下げたのです。これは、日本の親御さんと歯科医療従事者が手を取り合って成し遂げた、公衆衛生上の「金メダル」に値する成果です。


しかし、2026年の今、私たちが向き合うべきは「数字の改善」という過去の栄光だけではありません。むし歯が消えつつある今だからこそ、診察室では別の、そしてより複雑な「新しい敵」が姿を現しています。


今回のブログでは、この記念碑的な2026年の最新データを深掘りしながら、昭和・平成を経て令和に至るまでの歯科保健の歩みを振り返り、そして「むし歯ゼロのその先」にある、現代っ子たちが抱える新たな課題について、徹底的に解説します。


1.過去最少を更新した「驚異の数字」を読み解く



それでは、今回公表された令和7年度(2025年度実施)の調査結果を詳しく見ていきましょう。


■ 令和7年度 むし歯(う蝕)のある者の割合

今回の調査で明らかになった数値は、日本の歯科保健史上、最も低い(=最も健康な)結果となりました。


  • 幼稚園:19.44%(ついに2割を切りました!)
  • 小学校:30.83%
  • ・中学校:25.23%
  • ・高等学校:32.77%


これらがすべて「過去最少」です。


■ 昭和の「過去最大」との圧倒的な差:90%台からの脱却

ここで、調査の中で比較対象として挙げられた昭和の「過去最大時」のデータと比較してみましょう。この数字の差こそが、日本の歯科医療と親御さんの努力の結晶です。


  • 幼稚園: 過去最大 95.40%(昭和45年度) ⇒ 現在 19.44%
  • ・小学校: 過去最大 94.76%(昭和54年度) ⇒ 現在 30.83%
  • ・中学校: 過去最大 94.52%(昭和54年度) ⇒ 現在 25.23%
  • ・高等学校: 過去最大 95.90%(昭和55年度) ⇒ 現在 32.77%


いかがでしょうか。昭和50年前後は、「クラスのほぼ全員にむし歯があるのが当たり前」という絶望的な状況でした。そこから50年近い歳月をかけ、私たちはついに「むし歯がある子の方が少数派」という時代を確立したのです。


■ 5年前・10年前との比較:着実な減少の歩み

最新の2026年発表数値は、直近の10年と比較しても着実な進化を遂げています。


  • 10年前(2016年発表): 小学校で約52%の子にむし歯がありました。
  • ・5年前(2021年発表): 約40%まで減少しました。
  • ・2026年現在: 30.83%。この10年で、小学生のむし歯罹患率は「20ポイント以上」も改善されたことになります。



2.なぜ「むし歯」はここまで減ったのか?(3つの成功要因)



なぜこれほど劇的に減ったのか。そこには3つの大きな要因があります。

① フッ化物利用の「当たり前化」
昭和の時代には普及していなかった「フッ素配合歯磨き粉」の使用率が、現在は90%を超えています。さらに、高濃度フッ素(1450ppm)の製品が市販化され、家庭でのケアの質が格段に向上しました。愛知県内の自治体や学校でのフッ化物洗口の実施も、歯質を強くする大きな助けとなっています。予防の大切さについては☆こちら

② 保護者の皆様の「仕上げ磨き」の定着
くるみ歯科に来院される親御さんを見ていても、皆様の意識の高さには頭が下がります。昭和の時代は「子どもが自分で磨くもの」とされていましたが、今は「小学校卒業までは親がチェックする」という文化が定着しました。この徹底した管理が、数値に如実に表れています。

③ 「歯科=予防に行く場所」へのパラダイムシフト
かつては「痛くなってから行く」場所だった歯科医院。しかし現在は、藤が丘・長久手エリアでも「3ヶ月に一度の定期検診」がスタンダードになりました。虫歯ができる前にシーラント(溝を埋める処置)をし、初期の段階で再石灰化を促す。この「攻めの予防」が実を結んだのです。予防については☆こちら


■むし歯が減った今だからこそ見えてきた「次なる課題」

むし歯が過去最少になったことは素晴らしい成果です。しかし、診察室で感じる「リアルな危機感」は、別のところにあります。数字が改善されたからこそ、「むし歯以外の問題」が浮き彫りになってきました。

■ 課題1:歯並び・噛み合わせ異常の増加
むし歯が過去最少の一方で、「歯列・咬合の異常」を指摘される子の割合は、昭和の時代よりはるかに増加しています。 「歯そのものは真っ白で綺麗なのに、並ぶスペースがなくてガタガタになっている」「顎が十分に育っておらず、永久歯が入りきらない」という子が、2026年現在は非常に目立ちます。小児矯正については☆こちら

■ 課題2:口腔機能発達不全症(お口ポカン)
「常に口が開いている」「正しく飲み込めない」「舌が正しい位置(スポット)にない」。これらの「機能」の問題は、今回の統計には直接表れませんが、将来の歯周病や全身の健康に深く関わります。口呼吸は、2026年現在、子どもの健康を脅かす「静かなる流行病」です。

■ 課題3:視力低下との連動(令和7年度調査でも深刻)
今回の文科省の発表でも、視力の低下は依然として深刻な問題として取り上げられています。タブレット学習やスマートフォンの普及による「下向き姿勢」は、実は顎の位置を後方へ下げ、噛み合わせを悪化させる要因になります。「目と姿勢と口」は、すべて繋がっているのです。


■藤が丘・長久手の親御さんへ:2026年からの「新・歯科習慣」

この統計結果を受けて、くるみ歯科が提案するアクションプランです。

「・むし歯がない」の先を目指す
検診で「むし歯なし」と言われたら、次は「顎の成長は大丈夫ですか?」「口呼吸していませんか?」と、一歩踏み込んだ質問を歯科医師にしてみてください。

食生活の「リバイバル」
昭和の時代に多かった「硬いものを噛む習慣」を、2026年風に取り入れましょう。具材を大きめに切る、隠し包丁を減らす。噛むことは顎を育て、脳を活性化させます。

10歳からのセルフケア自立
過去最少を維持し続けるには、小さいうちから中学校・高校へ向けて「自分のお口への興味」を育てる必要があります。



3.私たちは「むし歯のない国」を次世代に渡せるか



学校保健統計調査の膨大なデータの積み重ねは、単なる数字の列ではなく、日本の子どもたちが歩んできた「生きる力」の記録そのものです。


かつて、昭和40年代から50年代にかけて記録された「95%」という数字。その背後には、痛みで夜も眠れなかった子どもたちや、若くして歯を失い、噛む喜びを制限されてしまった多くの人々がいました。その悲劇を二度と繰り返さないために、私たちの先輩である歯科医師たちが立ち上がり、親御さんたちが家庭で孤独な「仕上げ磨き」の戦いを続け、自治体がフッ化物洗口の導入に尽力してきました。


そして2026年2月13日。ついに、全世代で過去最少になりました。幼稚園児に至っては、実に8割以上の子にむし歯が一つもない。これは、50年前の歯科医師が見たら腰を抜かすほどの奇跡です。


しかし、私たちくるみ歯科の5名の女医は、この「過去最少」という言葉に安住することはありません。なぜなら、私たちが本当に守りたいのは「統計上の数字」ではなく、今このブログを読んでいるあなたの目の前にいる、お子様の「未来」だからです。


むし歯は減りました。しかし、その一方で顎の発達が遅れ、歯並びに悩む子は増え続けています。 むし歯は減りました。しかし、スマホやタブレットの影響で姿勢が崩れ、正しく鼻呼吸ができない子は増え続けています。 むし歯は減りました。しかし、受験や習い事のストレスで、夜間に無意識に歯を食いしばり、歯の寿命を削っている子は増え続けています。


歯科医師の役割は、昭和の「削って埋める」から、平成の「作らせない」を経て、令和の今、「正しく育てる」へと進化しました。小児歯科については☆こちら


藤が丘・長久手の地域の皆様。 文部科学省が発表した「過去最少」という数字は、あくまで通過点です。私たちが次に目指すのは、「むし歯がないのは当たり前、さらに歯並びが美しく、姿勢が正しく、一生を健康に歩める体を持った子どもたち」を育てることです。


もし、検診結果で「異常なし」であればぜひお子様を褒めてあげてください。それは、これまでの皆様の努力の証です。そしてその次に、ぜひ一度「くるみ歯科」へ遊びに来てください。「むし歯がないからこそできる、もっと高度な健康作り」の話をしましょう。


2026年のこの素晴らしい結果を、一過性のニュースで終わらせないために。 10年後の統計調査で、さらに「歯並びも呼吸も姿勢も、すべてが過去最高に健康的」という結果が出るように。


私たち5名の女医は、藤が丘というこの場所で、皆様の大切な宝物であるお子様の成長を、これからもずっと見守り続けます。お口の悩みは、どんなに小さくても構いません。それは、未来の大きな健康へと繋がる大切な種です。

くるみ歯科は、皆様の「一生モノの笑顔」の守り神でありたいと願っています。 Web予約(☆こちら)は24時間いつでも受け付けております。あなたとお会いできる日を、心よりお待ちしております!

くるみ歯科こども歯科クリニック
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