
くるみ歯科こども歯科クリニック
院長 竹中 純子
「歯を抜く」という治療は、歯科治療の中でも特に外科的な処置であり、患者様にとって大きな不安を伴うものです。
治療そのものへの緊張はもちろんですが、多くの方が気にされるのは、治療が終わって帰宅した後、
「抜歯後の傷口がどうなるのか?」
「歯を抜いた日に気を付けることは何だろう?」という点です。
特に、夜間や休日などに予期せぬ出血したらどうすればいいのか、という不安は尽きません。
私たち「くるみ歯科こども歯科クリニック」は、愛知県長久手市藤が丘の歯科医院として、患者様が抱えるこうした治療前後の不安を解消することを最も大切にしています。この記事は、抜歯を控えている方、あるいは最近抜歯治療を受けられた方を対象に、抜歯後の正しいケアと過ごし方について、専門的な知識に基づいて徹底的に解説します。
抜歯は、歯を失うという点でネガティブに捉えられがちですが、虫歯や歯周病、親知らずの悪影響など、口腔全体の健康を守るために必要不可欠な治療です。そして、抜歯後の数日間、特に当日の過ごし方が、傷口の治癒スピードや、術後の痛み・腫れの度合いを大きく左右します。不適切なケアは、「ドライソケット」といった深刻な合併症を引き起こし、治癒を長引かせてしまうリスクがあります。
具体的な「歯を抜いた日に気を付けること」を深掘りし、皆さまの不安を一つひとつ解消していきます。
1.抜歯後の傷を早く、きれいに治すためには

抜歯後の治癒を成功させる鍵は、「血の塊(血餅:けっぺい)」を何よりも大切にすることです。この血の塊が、抜いた後の穴を塞ぎ、骨や歯茎が再生するための天然の絆創膏となり、土台となります。
歯科医院で抜歯が終わると、通常は止血のためのガーゼを噛んでいただきます。
・唾液の処理
唾液に血が混ざっているのは普通です。気になるかもしれませんが、絶対に強く「ペッペッ」と吐き出したり、強いうがいをしたりしないでください。優しく飲み込むか、口から流れ出る程度にしてください。強いうがいは、せっかくできた血の塊を流してしまいます。
・止血の徹底
20〜30分間、出血部位をしっかりと圧迫して噛み続けてください。ガーゼを外して、まだ出血しているようであれば、新しいガーゼに交換して再度圧迫止血を行います。
歯を抜いた日に気を付けることは、血行を良くしないことと、傷口を刺激しないことに集約されます。
・安静にする
激しい運動、長時間の労働は避け、できる限り静かに過ごしてください。
・入浴は控える
シャワーは問題ありませんが、湯船に浸かって体を温めると血行が良くなり、再出血のリスクが高まります。
・飲酒・喫煙は厳禁
飲酒: 血行を促進し、抜歯後の出血したら止まりにくくします。
喫煙: 血管収縮作用で治りが遅れる他、ニコチンやタールが傷口に付着し、感染リスクを高めたり、「ドライソケット」を引き起こす最大の原因の一つとなります。最低でも1週間は控えてください。
・強いうがいの禁止
前述の通り、血の塊を守るため、ブクブクうがいは避け、含嗽剤(うがい薬)を使う場合も、口に含んで傾ける程度にしてください。
・患部を刺激しない
舌や指、歯ブラシで傷口を触らないようにしてください。
・処方薬の服用
処方された抗生物質(化膿止め)や痛み止めは、歯科医師の指示通りに服用してください。特に痛み止めは、麻酔が切れる前に飲むと効果的です。
・食事の注意
麻酔が切れてから、刺激物(辛いもの、熱いもの)や硬いもの、粘着性のあるものは避けてください。やわらかいものを、抜歯した反対側でゆっくり噛んでください。
ご自宅で抜歯後に出血したら、まず冷静になることが大切です。多少の滲み出しや唾液への混入は正常な反応ですが、ポタポタと出血が続く場合は以下の手順で対応してください。
・清潔なガーゼ(またはティッシュ)を準備: 滅菌ガーゼが理想ですが、清潔なティッシュペーパーを厚めにたたんだものでも代用できます。
・傷口に当てる
ガーゼを患部の抜歯窩(ばっしか:穴)に直接、しっかりと当てます。
・圧迫止血
最低でも30分間、そのガーゼを歯で強めに噛んで圧迫します。このとき、絶対に途中で気になってガーゼを外して確認しないようにしてください。途中で外すと、せっかく固まりかけた血の塊が剥がれてしまいます。
・確認と連絡
30分後にそっとガーゼを外し、出血が止まっているか確認します。それでも血が止まらない場合や、大量に出血している場合は、すぐに歯科医院にご連絡ください。
抜歯後の痛みと腫れへの対処法
冷やし方: 腫れを抑えるために冷やすのは有効ですが、冷やしすぎは血行不良を招き、治癒を遅らせます。冷湿布や氷嚢をタオルで包み、断続的に(例:15分冷やして15分休む)患部外側の頬を冷やす程度にしてください。
痛み: 処方された痛み止めを服用してください。抜歯後の痛みは通常2〜3日で治まりますが、痛みが強くなったり、長引く場合は感染の可能性があるためご相談ください。
腫れ: 抜歯後、頬や顎が腫れることがありますが、これは正常な炎症反応です。
2.よくある質問(FAQ)

歯を抜いた日に気を付けることに関連して、患者様からよくいただくご質問とその回答をご紹介します。
A. 抜歯当日は、傷口を避けて周囲の歯を優しく磨いてください。抜歯窩(穴)に歯ブラシが触れないように注意が必要です。翌日以降も、傷口を刺激しないよう注意しながら、少しずつ通常通りの歯磨きに戻していきましょう。
Q2. 抜歯後に頬の感覚が麻痺している気がします。大丈夫でしょうか?
A. 親知らずの抜歯など、下顎の奥歯の抜歯では、稀に一時的な神経麻痺が起こることがあります。多くの場合、数週間〜数ヶ月で回復しますが、続く場合はすぐに歯科医師にご相談ください。
Q3. お風呂に入ってもいいですか?
A. 抜歯当日は、シャワー程度にして、長時間の入浴や熱いお風呂は避けてください。血行が良くなると、再び出血したり、腫れがひどくなる可能性があるためです。
Q4. 食事はいつから、どのようなものを食べたらいいですか?
A. 麻酔が完全に切れてから食事をしてください(通常、2〜3時間後)。麻酔が効いていると、唇や舌を噛んでも気づかず傷つけてしまう危険があります。 食事は、柔らかく、熱すぎないものを選び、抜歯した側とは反対側で噛むようにしましょう。
Q5. 痛み止めや化膿止めはいつ飲めばいいですか?
A. 痛み止めは、麻酔が切れる前に飲んでおくと、痛みを和らげる効果が高まります。その後は、痛みが続く場合に添付文書の指示に従って服用してください。**化膿止め(抗生物質)**は、指示された通りに、すべて飲み切るようにしてください。
Q6. 運動をしても大丈夫ですか?
A. 抜歯当日は、激しい運動は控えてください。血行が良くなると出血しやすくなったり、腫れがひどくなったりする可能性があります。デスクワークなどの軽い仕事や家事は、体調に合わせて行っても問題ありません。
Q7. 抜歯後の治療費はいくらくらいかかりますか?
A. 保険適用内の抜歯であれば、レントゲンや処方薬を含めて、数千円〜1万円程度が目安となります。難易度の高い親知らずの抜歯の場合は、これよりも費用が高くなることがあります。具体的な費用については、治療前に必ず詳しくご説明いたしますので、お気軽にお問い合わせください。(費用詳細は要問合せ)
3.不安を安心に変えて、健康な未来へ

この記事では、「歯を抜いた日に気を付けることって?」というテーマで、愛知県長久手市にお住まいの皆様へ、抜歯後の正しいケア方法と「出血したら」の対処法について、詳細に解説しました。
抜歯後の治療を成功させるための要点は、「血の塊を守る」こと、そして「血行を促進する行動を避けて安静にする」ことです。この二点を守るだけで、回復は格段に早くなります。
愛知県長久手市藤が丘にあるくるみ歯科こども歯科クリニックは、すべての患者様が不安なく治療を終え、スムーズに回復できるようサポートすることを使命としています。
- 女性の院長と女医5名による、きめ細かな治療と安心感。
- 離乳食教室ありなど、ご家族の健康をトータルでサポート。
- 抜歯後に出血したらも安心のフォローアップ体制。
抜歯は、健康な口腔環境を取り戻すための大切なステップです。不安や疑問を一人で抱え込まず、私たちプロフェッショナルにご相談ください。
「くるみ歯科こども歯科クリニック」は、皆様の健康な笑顔のために、いつでも親身になってサポートいたします。抜歯治療についてご相談がある方、当院の雰囲気を知りたい方は、お電話またはWeb予約にてお気軽にご連絡ください。愛知県長久手市の皆様の来院を心よりお待ちしております。
- 院長:竹中 純子
- 住所:〒480-1135 愛知県長久手市下山3-1
- 電話番号:0561-56-4182
- ホームページ:https://kids-kurumi.com
駐車場35台(専用14台+共同21台) -
藤が丘駅から徒歩7分!
キッズスペース完備- 一時保育室もご利用いただけます